週間ねりきり(不定期更新中)

妻と2匹の猫と暮らす、よく分からない視点で映画のことを書く人です。意識高い系ブログが集うはてなブログの中で、ひたすら意識低い系の記事を不定期更新。 これに伴い日刊から週間になりました。今まで嘘ついててすいません…

『顔たち、ところどころ』を見たけど、よく分からなかった。から、分からなかったところをまとめて再度見たいと思った。

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カンヌ国際映画祭をはじめ、いろんなところで高評価と話題のドキュメンタリー顔たち、ところどころ

 

フランスの名匠アニエス・バルタとJRという名のフォトグラファーが、旅の途中で出会った人々と触れ合い、その人の写真をどでかく印刷し、それを建物や壁に貼り付ける参加型アートプロジェクトを展開していく。というドキュメンタリーを見たのです。

 

が!

 

ぶっちゃけ、よく分からないっ!

 

そして見終わってしばらくした今、もはや何が分からないのか分からない状態に。

 

最近頭を空っぽにして観れる『MEG』を見たところで、何が分からなかったのか、今一度自分なりに整理してみました。

 

 

  • そもそも、メインの二人がどんな人なのかよく分かっていない 

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アニエスさんは、『ジャック・ドゥミの少年期』や『5時から7時までのクレオ』など、有名な作品を取っている方というのは調べればなんとなくわかりますが、やはり「なんとなく」程度になってしまいます。

 

ましてやこのJRとかいう西日本だから東日本だか分からない人物に関して、公式サイト以外の情報が殆どないです。少なくとも私はこの映画で初めて彼の存在を知りました。

 

ぶっちゃけアニエスさんに関しても、監督・出演作を何もみたことがないので、殆ど知識がないにも等しい状態でした。

 

そんな状態で見れば、当然「なんかすごいことをやってるのは分かるけど、結局この人たちってどんな人なんだ…?」という疑問が常に付きまとい、肝心の映画の内容以前のところで足踏みしてしまったように感じます。

 

まあ、偉そうに書いてますが、十中八九自業自得だという…汗

 

 

  • アニエスさん家の猫が気になって仕方ない

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ちょいちょい現れるアニエスさん家の猫さん。

白キジかな?ウチにもキジ白がいるので、妙な親近感を感じてしまいます。

 

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かわいい…もうこれ『ボブと言う名の猫』じゃん…うう…ハイタッチしてほしい…

 

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次第に私はこの猫ちゃんのことが、頭から離れなくなりました。

 

アニエスさんとの出会いは?名前は?性別は?年齢は?性格は?餌はチキン派?魚派?日々どんなスケジュールで生活しているのか?お気に入りの場所はあるのか?イタズラはしないのか?おもちゃには食いつく方なのか?エトセトラ?

 

気づけば私は、映画そっちのけで、自宅の猫のことを考えていました。

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私の猫も肩に乗ることがあります。食卓(乗って欲しくない場所)から、私の後ろにあるキッチン(乗って欲しくない場所)に移動するための足場として…

 

…なんの話だっけ…

 

 

  • 【ネタバレ?】ゴリゴリの日本人気質だから

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道中、彼らが写真に収めるのは、町に思い出が詰まってて退去したくないおばあちゃん、孤独な農夫、過酷な労働を耐え抜いた坑夫など。

彼らの写真をデカく印刷して、建物に貼ることで、色々な過去や人生を経験してきた彼らに感謝されるシーンが印象的です。

 

ただ、当然出会う人皆がそうとは限らず、若い女性を同じく写真に収めて建物に貼ったら、あれよあれよとフォトジェニックスポットになってしまい、当人は非常に複雑な様子。

 

わたしは俄然、後者に共感してしまいました…そりゃあそうです。なんたって無職!いくら綺麗事並べたって、甘い蜜チューチュー吸って、ぬくぬく生きてきたわけですから。

 

もし自分がJRたちに会ったら、やっぱり恥ずかしい気持ちが真っ先に出るでしょう。

フォトギャラリーに自分の顔が写ってる写真があるだけで、うーんってなるのに、これから帰ったら毎日自分のデカデカと写った顔とご対面すると思うと気が重くなりそうです…

 

こういうところが日本人気質というのでしょうか?

いかんせん私は、5歳にも満たない頃にハワイに連れていかれ、キレイなおねーさんにチヤホヤされた写真の記憶しかないので、海外の思想とかまだまだ分からないことがいっぱいです…

 

  • 【ネタバレ】ラストのあの人は、結局何がしたかったのか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実は本作の締めに、アニエスはJRにある人と会わせようとします。

 

それは伝説的監督ジャン=リュック・ゴダール

 

旧知の仲という事で、事前に連絡を取って会いにいくのですが、道中アニエスは彼の気まぐれかつ「孤独な哲学者気質」を危惧し、ほんとに会えるか心配します。

 

結論から申し上げますと、会えませんでした

 

ゴダールの自宅にいくと、そこにはメモ書き(紙じゃなくて、窓ガラスにペンで書いちゃうところがまた天才肌っぽいっすよね。クーッ!今度真似してみよっと!)が残されており、文章がちょっと哲学的すぎて何書いてたか全然覚えてないんですが、要約するとドタキャンです

 

これにはアニエスも大変ショックを受けてしまいます。

ゴダールが好きなパンまで買ってきてあげたのに…パンをドアノブに引っ掛けて去るアニエスは、酷い仕打ちを受けたと言わんばかりの泣面寸前…このシーンは流石に胸が痛みました。

 

結局映画は、ゴダールに会えなかったアニエスをなぐさめるJRで幕が降ります。

 

旅の途中で、JRは何故このアート活動を行うのか聞かれると「想像力(創造力だったかも)は人と出会う場所で生まれる」みたいな事を答えていました。

 

つまりゴダールは、この真逆を行く人物だという事でしょうか。

 

人と触れ合いながら素敵な作品を作り上げる人もいれば、とことん孤独を極めて作品を作る人もいるという事で…

 

そんな対比を描いて作品を終わらせたかったのでしょうか。

なんか後味の悪い終わり方ではありましたが、いろんなアーティストがいるんだなあと、後になってしみじみ感じました。

 

あ、そういえば最後にアニエスを励ます意味も込めて、JRは兼ねてからアニエスが気にしていた、グラサンの下の素顔を見せますが、うまくぼやかして観客には分からないようになっています。

 

が、ぶっちゃけJRの素顔は割と冗談抜きでどうでもいいので、たいして何も感じませんでした。そういう映画じゃないけど…