週間ねりきり(不定期更新中)

妻と2匹の猫と暮らす、よく分からない視点で映画のことを書く人です。意識高い系ブログが集うはてなブログの中で、ひたすら意識低い系の記事を不定期更新。 これに伴い日刊から週間になりました。今まで嘘ついててすいません…

Netflixオリジナルドキュメンタリー『ジョンベネ事件の謎』感想。皆、ジョンベネみたいになる可能性はあるんだぞと脅される映画。

ヤマダです。

 

先日なんとなくネトフリオリジナル作品を漁っていたら見つかったドキュメンタリー。

 

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これまで何度もワイドショーとか、「世界仰天ニュー〇」で取り上げられてきた有名な未解決事件の一つ「ジョンベネ殺人事件

 

今から20年以上も前に、アメリコロラド州にて起きた事件で、当時6歳の女の子ジョンベネが誘拐され、脅迫状まで見つかるも、ジョンベネは自宅の地下室にて遺体で発見されるという最悪の結末に。

 

さらに警察が初歩的な捜査ミスを犯したり、家族犯行説が出たとこで、ジョンベネの家族から捜査の協力を得ることができなかったりと、いろいろ重なってはいけないことが重なったおかげで、現在も犯人は見つかっていません。(最初はヒステリー持ちの母親が犯人説など、身内の犯行が有力視され、今最も有力なのは、当時9歳だった兄・バークが犯人と言う説)

 

そんな未解決事件の再現ドラマを撮影すべく、地元の俳優を大勢集めると、オーディション兼、事件に対する推理を語ってもらうというのが本作の大まかな流れ。

 

ぶっちゃけ再現ドラマはおまけ程度に見てもいいくらいかもしれません。

 

 

1996年の美少女殺害事件。ドラマ化に伴いオーディションに参加した地元出身の俳優たちの推測を織り交ぜつつ、この未解決事件に迫るドキュメンタリードラマ(Netflix公式サイトより)

 

というのも、原題が「Casting JonBenet」と、なっている通り、事件の真相を追う系の作品でなければ、『ソークト・イン・ブリーチ』みたいな、突飛な新説が出るような作品でもありません。

 

本作で主にインタビューを受ける配役は、ジョンベネの両親を始め、事件を担当した刑事や、外部犯行説の犯人としてよくあげられる、ジョンベネ死亡前日に家に来ていたサンタクロースの格好をした男など。

 

一役に何人ものキャスティングがされ、それぞれが事件の感想と、犯人の推理を述べて行きます。

 

しかし所詮はズブの素人の推理

当時9歳の兄が、ジョンベネの頭蓋骨に、懐中電灯でヒビを入れられるものか!と推理をした次のシーンでは、兄のバーク役にキャスティングされた男の子たちが、懐中電灯でスイカを粉々にするという。その程度の推理なのです。

 

ーーーーーネタバレーーーーーー

 

この推理の最も重要なのは、特にラストになると、キャスティングされた役者が徐に自分の不幸話を始めるところ。

やれ親が酒飲みだったとか、やれ母親がパニック障害みたいな病気だったとか、やれ恋人が病死したとか、やれ息子が法に触れる犯罪を犯したとか…

そして決まって最後は、「私はこーゆー経験をしたから、犯人もこうだと思う」といった、自分の経験則で推理を完結させるという点。

 

これって、暗に「自分も今回のような事件の当事者、あるいは事件に巻き込まれる可能性がある」と、説明しているようにも思えます。

経験則で語る以上、私も今回のような事件の犯人になる可能性があることは、否定できないはずです。

 

なのに!

 

役者は皆口を揃えて「私だったら、いくら子供にイラついても殺したりはしない!」といったことを、平気で怒り心頭の様子で話すのです。 

冷静に見ると、めちゃくちゃ矛盾してる…この矛盾も作品の魅力だと思います。

 

要は、みんな誰しもジョンベネ事件のような不幸を起こすか、巻き込まれる可能性はあるんだぞ…自分はそんなことないなんて言える筋合いはないんだぞ…と言われているような作品だと思いました。

 

それこそ、ジョンベネ事件のワイドショーとかを興味津々で見たり、勝手に推測したり、こうして偉そうにブログ書いてたりしているやつも…

 

あ、そういや刑事役の1人に、夜はセックス講師という謎の仕事についてる男がいて、事件の感想そっちのけで、ずっとSMプレイにおける上手な鞭の打ち方をレクチャーするという、トリッキーなやつでした。

 

しかし、ジョンベネの検死結果に、性的暴行を受けた形跡の件になると、誰よりも説得力のある存在になってました。

何だったんだアイツ…