エロスがテーマだけど、『消えたアイリス』と『SHAME-シェイム-』はどこで差ができたのか
ヤマダどす。
先日見た『消えたアイリス』が日増しに微妙だったなあと思う私は、同じ「エロス」をテーマにし、私のオールタイムベストの一つ『SHAME-シェイム-』のことが頭から離れなくなりました。
お互い「性」をテーマにしているにもかかわらず、なぜこんなにも差が出てしまったのか、自分なりに考えてみました。(※以下両作のネタバレがあります)
「欲望を楽しんでま~す」ドヤ感が強すぎる『アイリス』
『アイリス』で感情移入ができなかった理由のひとつに、主要人物の性癖に対する背徳感を感じにくかったことがあります。
だって、今どきSMなんて、金さえ払えば日本でもできますし(知らんけど…)、この主人公もフツーに奥さんに内緒でプレイに勤しんで「俺たち今イケないことしてるぜ…」感を出されても…ていう…フランスだとあんまりそういうフーゾクないのかな…(知らんけど…)
『シェイム』は背徳感うんぬんより、主人公が依存症なので、その苦悩に感情移入してしまうという感じです。
そもそも性癖の度合いで言ったら、『シェイム』の方がダントツ
『アイリス』ではSMくらいの性癖くらいしか露見されませんでしたが、『シェイム』ではラストにかけてNTR(失敗)、ホモセック〇、3Pなど、怒涛の如く背徳の限りを畳みかけます。
さらに、描写はないのですが、主人公が会社の上司にエロサイトを閲覧したのがばれた時の内容が、
「娼婦」「アナル」「ダブルアナル」「挿入」「白×黒の顔射」「クリームパイ」という、まさに泣く子も黙るラインナップ。「クリームパイ」ってなんやねん。
https://instagram.com/p/BAHueSTliQ0/
行為がばれた時の対処の仕方がものを言う
娼婦とのSMがばれた『アイリス』では、ばれた時に妻を殺してしまいますが、『射エイム』では主人公の妹に〇ナニーがばれると、何をとち狂ったのか、依存症のくせにおかず(性的な意味)を全部捨ててしまいます。PCだって捨てちゃうんだから。
『アイリス』では妻を殺しておいて、新しい関係を築こうとするポジティブな面があるのに反して、『シェイム』ではおかず全処分した後、部屋の片隅で体育座りしている姿は見るに堪えません…
お金で解決できない
『アイリス』では、うまくいけば本当に金だけで妻の死を隠せたかもしれません。
しかし同じく優雅な生活をしている『シェイム』は、いくら金を積んでも、主人公の心は満たされないのです。
おまけにガチ恋愛すると、お〇ん〇んが機能してくれないという悲痛すぎる現実も…とにかく作品のどこを切り取っても可愛そうな主人公なのでした…
まとめ
『アイリス』は性癖の演出でどやったりしていますが、実際は大したことないんじゃね?という点で冷めてしまい、おまけに感情移入もできない内容がだめなのかなあと思いました。
そういう意味では、全く横入りになりますが東野圭吾の作品って、犯人にこれでもかというほど感情移入させるよなあと、また比較してしまいました。よくないよくない…
あ、『シェイム』は普通にエロもストーリーも面白いので、おすすめです。
以上、『SHAME-シェイム-』布教活動でした。