オールタイムベストについて、考える
私は基本的に「この映画が好き!」というよりは、
「この映画の、この部分が好き!」という見方をすることが多いので(その逆もまた然り)一概に作品を抜粋することができないのです…
なので、最近は一番好きな映画は?と聞かれると、考えるのが億劫になり『押井版 攻殻機動隊』っすね、と雑に答えることが増えました。(すいません…
ではなぜ『押井版 攻殻機動隊』を雑にあげたかというと、単純に何回も繰り返し見てるからだと思います。
この部分が好きって見方なら、下世話な話YouTubeに掲載されているダイジェスト動画とか見ていればいいわけですし…(だから戦闘シーンばっかり見ている『ザ・レイド』は、残念ながら、オールタイムベストには入りません)
なので今回は、「何度でも見れる」を基準に、現段階でのオールタイムベストを上げていこうと思います。数でいうと片手で数えれるほどですが…
『SHAME-シェイム-』
あまりにも本作が好きすぎて、Netflixオリジナルの『消えたアイリス』がとばっちりを食らう展開になりました。
エロをゴージャスに描くと、下手すれば高級ソープみたいな雰囲気になってしまいますが、(行ったことないけど)本作は主人公が側から見るといたって真面目な男性、それでいてモテるので、エロと気品のバランスが絶妙です。
彼のなんでもない(エロ覗く除く)日常は、まるで芸術のようですし、主人公が全裸で洋式便所にて立ちションするシーンなんかは、一周回って前衛的なアートでした。
『美しき棘』
母親を亡くした17歳の少女プリューデンス(レア・セドゥ)。父親は海外出張、姉はほとんど自宅に帰らないなか、彼女は広いアパルトマンの一室で孤独を募らせていた。そんなある日、同年代の不良少女マリレーヌと知り合ったプリューデンスは、彼女を介して違法バイクレースのグループと親しくなるが……
ナタリー・ポートマンと黒い魔法使いの娘リリー・ローズ・デップのPV『プラネタリウム』が、あまりにも記憶に残らなかったのに対し、同監督作である『美しき棘』は、なかなかに記憶に残ります。
つかみどころのないうえに、終始物憂げな表情のレア・セドゥ、若者たちが刹那的快楽で乗り回すバイクのレース、本作をただの雰囲気映画で終わらせないドラマチックなRobによるサウンドトラックetc...
とくにサントラは超オススメなので、是非聞いて欲しいです。
それにしても『プラネタリウム』は監督も音楽も同一人物なのに、なぜこんなにも記憶に残らないのか…
『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』
最近ハリウッド化もした本作ですが、私が好きなのは原作でもなくテレビアニメシリーズでもなく、この押井版 攻殻機動隊なのです…
もうら25年近く経つ作品でありながら、いつ見ても新しい感覚に浸れるのはほんと凄いと思います。時代遅れ感も全くないし。
SFなのに和太鼓の印象的な川井憲次のサントラや、台湾かどっかの国にありそうな(地理弱い)、雑多な雰囲気まで見事にマッチさせています。
何より登場人物それぞれの台詞周りも素晴らしく、主人公草薙が戦場で語る「人間が人間であるための部品は決して少なくなく…」の台詞は普通の映画でやったら間違いなく「ポエマーかよっ」てウザがられそうですが、それを本作ではとても聞きなじみの良い?何度も聞きたくなるような言い方するんですよね…私あの台詞暗唱できますからね…
そんなわけで、ひとまず3作…
また気になるのがあったら随時更新していきたいです。