ニック・チョンが主演監督を務めたホラーラブバトルアクションコメディ『除霊師』を見ました…
このタイトルに偽りなし…
香港で有名な俳優ニック・チョンが手がけた監督作は、結局何を描きたかったのか?その真相を突き止めました(大げさ)
ニック・チョンと言えば、ジョニー・トー監督作の常連でもあり、本国で大変人気な俳優さんです。
そんな彼が作品のテーマに監督したのは「除霊師」
ホラー映画では普遍的なテーマなだけに、どんな作風になっているのか、気になり見て見ました。
あらすじ
若い女性の幽霊と暮らしている除霊師の主人公ファットは、女と寝ることにしか興味のない相棒と、悪霊を時にコーラで水攻めしたり、時に鶏と爆竹で攻め込んだりと多忙な日々。
そんな時に幽霊に対し半信半疑な女性記者と関わったり、強そうな霊が除霊師を次々と殺してまわり、ファットもその標的に。その幽霊の目的を代わりに成し遂げないと殺すと脅され、さらには同性幽霊が転生まで後数日としり、この想い届けたいファットは一体どうするのか?みたいな話です。描いてて疲れました。
除霊の仕方、アナログすぎない?
そもそも、除霊という方法にアナログもデジタルもないのですが…
いかんせん、ファットの除霊の仕方が物理的法則にのっとりすぎて困惑します。
幽霊に乗り移られた人と肉弾戦を広げるなど、さながら『激戦 ハート・オブ・ウォー』を彷彿とさせる場面も。
そもそも、幽霊もなんでわざわざ他人に乗り移ってまでして肉弾戦に持ち込むのか…もっとポルターなんとか現象とか…あっただろ!
さらにはビニールをかぶって気絶するという、『ビューティフル・デイ』のホアキンも驚きの霊界への移動手段。
しかも霊界の悪霊たちも、なぜか『ワールド・ウォー・Z』ばりの勢いで、ファットに襲いかかります。
そんなゾンビ悪霊を、ファットは手から光線出して一網打尽にします。手から光線?
ヒロインの学習能力、低すぎない?
記者であるヒロインの女性は、ファットの除霊中の動画を見て、デマかどうか調べようと、直接ファットに接触します。
その時にも霊的現象に遭遇したにもかかわらず、その存在を疑ってやまない彼女は、わざわざ他の霊媒師に霊を呼んでもらうことに。
しかし霊媒師がミスって、呼んだ霊が彼女に乗り移るというアクシデント発生。
危うくガソリンを飲んで死ぬところを、ファットに除霊してもらいました。
にも関わらず、今度は勝手にファットの家に上がりこむと、同棲中の幽霊に脅かされ、首にギブスをするほどの重傷を負います。
ていうかさっき自分で霊呼んだのに、なんで「初めて見ましたあああー!」みたいなリアクションしてんの?本当に記者なの?
さらにはラスボス級の幽霊を、これまでの失敗を全く顧みることなく呼び寄せて、呼んだ霊媒師が死にます。
他力本願な上に学習能力がないと、死人が出るようです。
記者なのにおバカ…
ジャンル映画の程度、超えてない?
この映画の最大の謎。それは例の存在なんかではなく、『除霊師』という作品のジャンルです。
昨今の映画はいい意味でジャンル映画の枠を超えているものがありますが、本作は間違いなく、色々詰め込みすぎて、わけがわからなくなっています。
そもそも私はホラー映画の類と思って見たのですが、どうも様子がおかしい。
当たり前のように幽霊はいるし、そもそも除霊の仕方に肉弾戦なんて…私はアクション映画を見てるのかと思い始めました。
しかし、今度はなんだか秘密めいた過去をと因縁を持ったラスボス級の幽霊が登場。
ミステリーものかと思ったら、他にも過去の気になる連中が主人公を含めて2人いるので、一体何の謎が知りたいのかも曖昧に…
さらには同棲している幽霊が、転生してしまうということで、謎を解決しようとしつつ、ファットのその幽霊への想い募らせていくので、ラブストーリー感がどんどんましましに。
そしてなんやかんやラスボスの幽霊を倒し、めでたしと思いきや…まさかのラスト10分に怒涛のメロドラマ展開が炸裂。一緒にデートしたり、お別れのキスしたり、やっぱりちゃんと想いを伝えたくて、またビニール被って霊界に行ったり…
長い…長すぎる上に蛇足…
さらには突然の失恋ラブソング(結局同棲幽霊は転生していなくなる)が高らかに流れ、私の胃もたれは臨界点を突破するのでした…
あの歌…ニック・チョンが歌ってたらマジでいよいよだなあ…
まとめ
唯一の救いは、ごく稀に挟まれるコメディ要素。
あれは素直に面白いので、次はコメディ一本でやったらいいと思います。
少なくとも、もうラブストーリーはやめた方がいいです…
あと幽霊とラブストーリーとアクションを、掛けあわれるのもやめた方が…そんな奴いないか…