『ランダウン』をピーター・バーグのファンはどんな気持ちで見るのか?
以前、『マイル22』の公開に合わせて、Netflixにて配信されているピーター・バーグ初期作『ランダウン ロッキング・ザ・アマゾン』アマゾンを見ました。
まだロック様がロックと呼ばれていた頃の作品です。
しかし初期作だからか、ロック様よいしょ映画だからか、ピーター・バーグの醍醐味を感じられるかどうかは、あなた次第です!
「銃は使わない」というピーター・バーグの醍醐味を殺す設定
私の中のピーターの魅力といえば、これでもかというほどの爆発、激しくもリアルなガンアクションです。
つまり、銃火器を多用してこそのピーター映画とも言えます。
ところが、何を血迷ったのか、本作の主人公ベックは、「銃を一切使わない」というポリシーを持ってしまったために、監督の十八番が封印されてしまったのです。
その結果、巨体を使ったスピード感のあまりない肉弾戦を見せられるという事態に。
敵の銃を奪ったかと思えば、ご丁寧に使えぬようバラしてしまったりと、真綿で監督の首でも締めているのかと言いたくなる演出が多数登場します。
まあ、そもそもこの映画自体プロレスラーのロック様の華々しい役者デビュー作みたいな側面もあるため、良いイメージを持てるようにする必要もあったのでしょう。
監督もいう仕事も楽ではありませんね。
ただし、どういうわけか『ローン・サバイバー』でも見せてくれた、あの「崖から5人が人形のように転がり落ちるシーン」だけは健在です。
やはり人を崖から突き落としたら、この監督の右に出るものはいない…
全体にわたって感じる「金ロー感」
ピーター・バーグは、これまで『ハンコック』『バトルシップ』など、金ローで放送されそうな作品を手掛けてはいるのですが、この『ランダウン』は、特にその雰囲気が強烈です。
全体的に軽いトーンに軽快な劇伴。
しかもわかりやすい勧善懲悪ものかと思っていたら、謎のトレジャーハンティングが開幕したり…
浅いようで浅く、狭いようで無駄に広い作品です。
それにしても、あまりにノリが軽すぎて感覚がマヒしたのか、ギャグシーンなのかどうかわからないシーンもありまして…
一応説明すると、クリストファー・ウォーケン(出演してることがそもそも意外)が、現地の部下に対して「歯の妖精」について、死ぬほどシリアスな顔で説明するシーンです…
ロック様のガチムチパラドックス
そもそも気になったのが、いくら十年以上前の作品とは言え、ロック様の首細くない?
現在は顔の幅より首の幅の方が太いんじゃないかと思うくらいマッチョなドウェイン・ジョンソンですが、やはり若いころは、そんなこともないのでしょうか…?
というか、冷静に考えたらなんで現役を引退して役者になってからのほうが首太くなっているんですかね…
【おまけ】関連作ご紹介
『イコライザー2』
こちらは、『銃は一切使わないけど、そのほかの武器で(または日用品)で、敵を完膚なきまでぶちのめす』元CAIのお話。
ロック様が『ランダウン』で嫌々戦うのに対し、『イコ2』マッコールさんは人の家の前で笑顔で皆殺し宣言するくらいヤル気満々です。