【2行目でネタバレ】『セレニティー:平穏の海』を見た感想。本当にオチでがっかりするかな?
先日書いた、『セレニティー:平穏の海』を見ました!
(↓以下直ぐネタバレ)
ずばり、「IT版『トゥルーマン・ショー』でしたっ!
ざっくり説明すると、主人公のマシュー・マコノヒーは故人。
彼がいる島は、彼の息子が作り出したコンピューターの世界でした。
アン・ハサウェイが新しい夫にDVされ、息子も虐待されいるのは現実世界の話で、父親を亡くした息子は、自らの手で虐待する新しい父親を殺していたのです。
たぶん、
助けてくれる父がいない→コンピューターの世界で父を創造し、自分と同じく新しい夫を殺させる→それ自体が息子の心の支えになった。
みたいなことを描きたかったのかなあというのが率直な感想です。
じゃあそもそも、なんで本国ではそんなに酷評されてるのでしょうか。
正直、別にカルトって程でもないですし、かといって「うわあ、クソだあ!」なんてボロカス言うほどひどくもないし…いつも通り、安定してたスティーヴン・ナイト作品という感じです。(ただ、面白さで言ったら、『オン・ザ・ハイウェイ』のほうが上ではある)
その1 コンピューターの世界って設定が雑?
私はゴリゴリの文系なので詳しいことはわかりませんが、そもそもこのマシュー・マコノヒーはコンピューターの世界でどのような位置づけになるのでしょうか?
A.Iと明言はされませんが、少なくとも彼だけ自分の意志で考え行動しているようにも感じています。
そういったことが明確になっていないからこそ、作品のディテールがしっかりしておらず、見る側はあまりのめりこめなかったのかなあっと感じます。
その2 トゥルーマン・ショーを知っている人は既視感がすごい
最初にも挙げた『トゥルーマン・ショー』と非常に設定が似ているので、勘のいい人や、最近たまたま『トゥルーマン・ショー』を見た人は既視感が半端ないです。
感のよくない私でさえ、途中からなんとなくオチは分かってしまいました。
どんでん返しっぽく見せてはくれますが、「やっぱそうだよね!」感がすさまじいです。
その3 そもそも10代前半の子どもがこんなすごいことできるの?
という、もはや現実世界の方が現実離れしちゃってるじゃん?という意見もありそう。
でも、前にネットニュースでこういう記事を見たので、案外不可能な話ではないのかも…
じゃあ、この映画は何が面白いんだよ!ってところですが、オチ以上に、今後こう言った家族の関係が出てきても不思議じゃないよなあと、思わせる終わり方が印象的でした。
故人をいわゆる電脳世界に創造し、A.Iを駆使して記憶を模造。
まるでいつでも故人に会える環境が出来上がるという近未来…
『セレニティー:平穏の海』は、それを肯定的に受け止めるような終わり方が印象的です。
まだ幼い時に父を亡くした息子が、「父の支え」を自分の力で創り出だす。
この作品はその極端な例ではありますが、もっと科学技術が発展すれば、親を亡くしたりした子供の支えとしては確かに良い面もありそう。
本作でも殺しは悪いことですが、その背景には自分と母親を守りたいという動機もあるので、きっと故人をA.Iとして蘇らせるという点では肯定的に見せたいと感じた理由です。
それにしても、『バード・ボックス』しかり、Netflixは、ジャンルものに見せて、新しいタイプの親子の話を描くのが好きですね。たまたまでしょうけど…
結論的には、カルトかどうかという点ではがっかりですが、スティーヴン・ナイト作が好きな人は普通に面白いかもしれません。
来週はいよいよ「ダ・フォース」の映画化かな?と思うくらい期待値高めの『トリプル・フロンティア』が配信されるのでわくわくです。