週間ねりきり(不定期更新中)

妻と2匹の猫と暮らす、よく分からない視点で映画のことを書く人です。意識高い系ブログが集うはてなブログの中で、ひたすら意識低い系の記事を不定期更新。 これに伴い日刊から週間になりました。今まで嘘ついててすいません…

【ネタバレ】『SOLO 孤独の淵で』とかいう恋愛観察サバイバル映画

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カナリア諸島の秘境スポットを1人で訪れたサーファーが崖の上から転落。サバイバルをかけた孤独なバトルの中、自らの人生を回顧する。実話に基づく作品。(Netflix公式より)

 

わかりやすくどんなストーリーか説明すると、いい年して結婚せず、友達とサーフィン三昧な主人公が、好きな女性にフラれるだけでなく、世界中の波と女に乗ろうと約束した親友に「俺、結婚してカナダあたりに落ち着くわ」と言われてしまい、ふてくされてウロウロしていたら崖から落ちて遭難する。というお話です。

 

・どうせ『ロスト・バケーション』の亜流映画でしょ?

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私も最初はそう思っていました。

仲間とサーフィンしていたらひょんなことから逸れてしまい、ボード一枚で沖に流されサメに襲われる…みたいな。

実際は上記のように、いじけて人気のない断崖絶壁に来たら砂地で足を滑らせ、あれよあれよと転落。

その時負ったケガに苦しめられながら、誰も来ないであろう絶壁の下で何とか生き延びようとするのです。

今は多様性の時代だし、「結婚しなきゃ幸せじゃない」って考えたか自体ダサいですが、かといって結婚しないで拗ねてがけから転落し遭難なんて元も子もないような気も…

 

そんな後悔ばかりの主人公は、孤独に遭難してから、いろいろ考えることもあるようで…

この演出が、他の海洋スリラーとはちょっと毛並みが違ってくる要因となってきます。

 

・半分サバイバルで、半分恋愛観察バラエティ

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遭難シーンと並行して、主人公が好きな女性に「遭難したとき、こんなに大変だったんだよぉ〜。好き」みたいな自分語り&好き好きアピールをするという、本気でスリラーものを期待していた人からしたら「は?」と言いたくなるようなシーンも同じくらい割り込んできます。

 

自分語りというか、主に遭難のときの体験談です。

なので、生還してちゃんと悔いなく好きな人に気持ちを伝えられたのかな〜と、なんだか「あいのり」でも見ているような錯覚を覚えるのですが、これらのシーンは全部主人子が遭難しているときに見ていた夢というオチ。

 

女性には会えていないし、そもそも崖から落ちたときについた傷から鳥が肉をついばんでいるし…

以降、過酷なサバイバルが本格化しますが、なんやかんやで通報があったのか、レスキュー隊に救助されるのでした。

 

・スペインの海はキレイだった

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本作をより「あいのり」だの「テラスハウス」だのに近い雰囲気にさせているのは、なんと言ってもそのロケーションです。

スペインのキレイな海…主人公がうっかり遭難してしまった場所でさえキレイです。

なんなら事故じゃなくて『ハングオーバー』よろしく泥酔して、目が覚めたら遭難しているだけでなく、大怪我した傷口を鳥がついばんじゃってるよお〜。なんてコメディだったらどれだけよかったか…そんなふうに思ってしまうほどロケーショングンバツです。

 

それにしても、砂浜で仲間が集まって語らうシーンなんて、画面に車一台映り込ませたら、もう「テラスハウス」ですからね…

 

・実話あるあるEND

『SOLO 孤独の淵で』も、最後に御本人が登場するのですが、最近この手の終わり方が多いように思います。

多いって言っても『ボブという名の猫』『暁に祈れ』くらいしか知らないんですけど…

というか、存命の人の実話を元にする作品の多さに、映画界は手を付けるのが早いな〜と遠い目をしながら思うのでした。

 

そんなわけで、『SOLO 孤独の淵で』は、ごりごりの海洋スリラーファンには全くおすすめしませんが、他人の色恋沙汰に興味がある人とかは案外好きかもしれません。

時間も90分くらいなんで見やすいですよ。