週間ねりきり(不定期更新中)

妻と2匹の猫と暮らす、よく分からない視点で映画のことを書く人です。意識高い系ブログが集うはてなブログの中で、ひたすら意識低い系の記事を不定期更新。 これに伴い日刊から週間になりました。今まで嘘ついててすいません…

『ヘレディタリー/継承』を賀来賢人でリメイクするべき三つの理由【ネタバレ】

先日、新進気鋭のアリ・アスター監督作による巷で話題の『ヘレディタリー/継承』を見ました。

「綿密な脚本による伏線回収がすごい」みたいな意見を聞きましたが、あまりにも過激な演出と主演のトニ・コレットの顔芸が凄まじく、そんなことはどこかへと吹っ飛んでいきました。凄すぎて4月中で一番笑いました。

 

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ところで、日本の顔芸役者と言えば、最近は賀来賢人さんがホットですが、それにちなんで、『へレディタリー/継承』を賀来賢人さんでリメイクすべき3つの理由(なんてチープなタイトルなんだ…)をご紹介します。ネタバレもあるよ!

 

クソすべりした恥ずかしいツイート。頭があったら切り落としたい。

 

理由その1 変顔

目の前で怪奇現象が起きているにもかかわらず、それを軽々と超える恐怖の変顔を見せつけるトニ・コレット

まさに主役を食うとはまさにこのこと。トニ・コレットが主役なんですけど。

 

『マイ・ベスト・フレンド』で乳がんを患ってしまう役を演じた時は「体大丈夫?」と心配になるくらい役に入り込んでいましたが、『へレディタリー/継承』では「頭大丈夫?」と心配になるレベルの怯えっぷり。

どう考えてもあの顔は、数秒後に死ぬか殺される表情なのに、地味に生きながらえてるのすごい。

 

ここで顔芸としては日本で唯一の対抗馬である賀来賢人さんの入場です。

これまでコメディ系では変顔を惜しげもなく晒してきただけに、ホラー映画でびっくりする表情なんて朝飯前でしょう。

ところが、不気味な(?)ミステリーの代名詞『犬神家の一族』に出演すると、まさかの怖がらせる側のスケキヨ役になってしまった挙句、顔面が白マスクで完全に封印されるという体たらく。

これほどまでに賀来賢人さんの魅力をぶち殺すキャスティングがあったでしょうか。(なお本編は未見)

私が偉そうな口を叩き続ける前に、是非『ヘレディタリー/継承』のリメイクで挽回して、最&高な変顔を見せて欲しいです。

 

理由その2  ツッコミ

『ヘレディタリー/継承』には、燃やそうとすると、燃やそうとした人の体が燃えるという、激アツなガジェット(スケッチブック)があります。

トニ・コレットはこのスケッチブックが度重なる怪現象の原因とみて、燃やして捨てようとするものの、それをすれば自分も燃えてしまう…

意を決して、旦那にスケッチブックを燃やすよう頼み「自分はどうなっても構わない!」と、感涙必須のシーンになだれ込みます。

しかし、旦那も「そんなことはできない…」と尻込んでしまい、ついにトニ・コレットが泣きながらスケッチブックを暖炉に投げ込むのですが、なぜか旦那が火だるまになりました。

 

 

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多分、スクリーンの前のみんなもこんな顔していたと思う。



 

あまりにも脈絡や理由が分からないまま笑止焼死した旦那。

最早ストーリー上、扱いが面倒くさくなったか、「とりま火つけとくか」といった脚本から漂う物騒ささえ感じられます。

 

賀来賢人さんなら、驚愕の表情(変)をしつつも、アタックゼロのCMみたいなキレッキレのツッコミをしてくれることでしょう。

「お前が燃えるんかーい!」みたいな。

 

これなら、旦那の死も報われますね。VIP...

 

理由その3  アドリブ

賀来賢人さんの変顔をはじめとするアドリブは、福田監督によるスパルタ(?)によって行われているとテレビで見たことがあります。

リハでの演技が監督にウケたので、本番でも同じ演技をしたら「え?なにその演技?どうした?」とダメ出しされるそうです。

監督曰く、これによって本番ではさらに一つ上のアドリブを引き出させるという手法だそうです。

 

これをもし、『ヘレディタリー/継承』のリメイクを行なったとして、同じ手法を使ったら…

自分で天井から首を吊りつつ、ワイヤーで首をチョンパするという、禍々しいことこの上ないDIY精神を越えることができるかもしれません。

 

冷静に考えると、やっぱり怖い話

『ヘレディタリー/継承』が他のホラー映画と何が違うのか…

一般的なホラー映画は自業自得なケースが多いことに対し、『ヘレディタリー/継承』は何もしなくても酷い目に遭うということが定められています。

 

大体ホラーって、行かなくてもいいのに物騒なところに行ったり、開けなくていいものを開けたりと、余計なことしがちな印象を持ちます。(だから見ている側も安心して他人事みたいに怖がることができるのかも)

他にも何も知らずに住んだ家が、実は呪われていたというケースもありますが、これに関しては、ほかの家に住んでいた可能性もありますよね。要はおうちは選べるということです。

 

一方、『へレディタリー/継承』ではチャーリーなどおばあちゃんの血を引き継いだゆえに、この世に生を受けた時点で無残な結果が待っています。そしてキャッチコピーにもありましたが、どんなに頑張っても家族は家と違って選べません

生まれた段階から生贄になるほかない人生…そう考えると、じわじわと怖くなってきます。

 

こうしたこれまでのホラーとは違うアプローチをしているだけあって、面白い映画でした。

次回作はピクニック日和みたいなお天気の下、ホラーを撮るそうです。正気か…?