週間ねりきり(不定期更新中)

妻と2匹の猫と暮らす、よく分からない視点で映画のことを書く人です。意識高い系ブログが集うはてなブログの中で、ひたすら意識低い系の記事を不定期更新。 これに伴い日刊から週間になりました。今まで嘘ついててすいません…

年末年始に見た映画まとめ

ヤマダです。遅ればせながら明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

 

皆さんはこの年末年始、いかがお過ごしでしたか。いっぱい休んだ人も、サービス業ゆえにむしろずっと仕事だった人もいるかもしれません。

 

私は少し小さい映画館で働いていた時、正月ロードショーが『フィルム・アバウト・コーヒー』と『あの頃、エッフェル塔の下で』だったのをよく覚えています。

『フィルム・アバウト・コーヒー』は要約すると「リアルガチ『コーヒーをめぐる冒険』」なので、コーヒー狂の人はぜひ観てみて下さい(もう数年も前に公開された作品ですが、DVDを見つけたためしがない…

 

何が言いたいかというと、シネコンと違って正月めっちゃ暇でした…。そしてカレンダー通りの休みの現在もめっちゃ暇でした。

 

特に出かけることもなかったので、ここで年末年始にみた映画の感想をまとめてみました。(※ガチでほとんど外出していないので、DVDとネトフリのオンパレードです

 

12/30 『シャイニング』

続編である『ドクター・スリープ』の上映もぼちぼち終わろうとしているころ、ようやっと重い腰を上げて観た『シャイニング』。

 

しかも視聴した理由が「headgoonie」というブランドが出した、あの絨毯模様をポケットにあしらったTシャツを購入したからという。『シャイニング』ガチ勢が聞いたら、斧持って自宅に押し掛けてくるんじゃないかという不純な動機でした。

 

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キューブリックの監督作とだけあって、いろんな考察がなされているようですが、個人的にはジャックの顛末が非常に印象的でした。

ホラーのヒール役?って、最後に狙った獲物に返り討ちに遭うか、逃げられるか、獲物をしとめるかの3パターンだと思うんですが、『シャイニング』のジャックは逃げられる上に自滅するという、3パターン中2パターンに該当する欲張りなヤツ。

結末だけ見れば、『インサイド』と同じくらい不意を突かれました。

 

01/01 『シュガーランドの亡霊たち』

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友人がISISに加わったと知り、ショックを隠せないテキサス在住の米国人イスラム教徒たち。共に過ごした日々を振り返り、彼が過激派に走った理由を考える。(Netflix公式より)
 

なんで正月からこんな暗いドキュメンタリーを見てるんだろう…と自問し、去年の“年はじめ映画”を調べたら『ホワイト・ヘルメット シリア民間防衛隊』でした。謎は深まるばかり…。

 

私自身、これらのことに関して全然詳しくないので、登場人物の青年たちに感情移入するためにも、鑑賞後「自分の親しい人がISISになったら」と仮定して物事を考えてみました。人は時間と共に、ちょっとずつ変わるもので、それがいい方向にもなれば悪い方向にもなるわけで。後者の場合、必ずどこかに“寂しさ”が付いて回るように思いました。

 

『シュガーランドの亡霊たち』で印象的だった演出に、まだISISになる前の友人が映る写真と、その友人がいない写真の現場を映すカットがあります。

特にラストの、車の後部座席で撮ったその友人の写真と、誰も座っていない後部座席の比較はとにかく寂しい気持ちになりました。…なんで年始にこの映画を見たの…。

 

01/02 『イン・ザ・トール・グラス -狂気の迷路-』

 

年末年始に、まさかのスティーブン・キング原作映画2発目をかましました。

絵文字で表すと

WWWWWWWW/(^o^)\WWWWWWWWみたいな映画です。

 

あと一瞬『アンチクライスト』オマージュみたいなシーンがありましたね。

他にも結構まがまがしくてエモい演出があってよかったのですが、ラストが意外と普通でちょっともったいない気がしました。

 

どうせ謎を全部明かさないなら、三池隆監督の『極道大戦争』(要)みたいに滅茶苦茶ぶっ飛んだラストにしてほしかった気も。

 

例えば草むらに閉じ込められた登場人物が、途中で登場した葉っぱ隊になって、あの巨大な石をダンベルに変身させ、小屋でシャルロット・ゲンズブールにぶん殴られたウィリム・デフォーの足に貫通させるという…うわ、つまないなあ…。自分で考えて自分で引いちゃいました…。

 

01/03 『ローマ法王フランシスコ』

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年末年始休暇に入る前に観た『2人のローマ教皇』が良すぎて、たまたまネトフリで見つけたヴィム・ヴェンダースのドキュメンタリーを観ました。映画・ドキュメンタリーどちらを先に見ても面白いと思います。

映画を先に観ていた私は、ドキュメンタリーを観て「あ、このシーン映画で観たやつだ!」と、進研ゼミみたいな現象を味わってました。

 

そういえば最近、ローマ教皇が女性の手を叩いたことを謝罪し、やれ教皇が悪い・悪くないといった話になっていましたが、普通にそばにいたボディーガード?が対処していたら、こんな大ごとにはならなかったのでは…。

人徳のある教皇なので「そんながっつりガードしなくてもいいよ」と言っている可能性もありそうですが「“すな”は“せえ”じゃ」って千鳥のノブも言ってたし…。

 

本編では、教皇がカメラ目線で自分の考えや、私たちのするべき行いを説いてくれます。

まるで家に居ながらにして、教皇の演説をマンツーマンで聞いているようなありがたみを感じられる良作です。

 

01/04 『聖者たちの食卓』

近所のインドカレー屋(バターナンが旨い)に通うのが趣味になりつつある私にとって、マストで観ておくべきだと感じたドキュメンタリー。

BGM、セリフは一切なし。ただひたすらに「黄金寺院」で振る舞われるカレーが、作られ食べられ片付けられる様を捉えています。

食欲以上に、現場の雰囲気にすごく引き込まれて、寺院なのにどこかインダストリアルな雰囲気があるのも面白かったです。

大人5人くらい一気に煮込めそうなでっかい鍋をごしごし洗うシーンとか、アホほどある鉄性のカレー皿をガチャガチャ洗うシーンもたまりません。

 

ちなみにカレーを作る作業は完全な分担制で、食材を切る人はずっと食材切る担当、皿を洗う人はずっと皿洗い担当といった感じだそうです。

いいな~、私が以前働いていたバイト先も、完全分担制にしてほしかったなあ~。最初は担当ひとつだけだったのに、気づいたら3つくらいかけ持ちさせられてたし。

そんな小言をいうと「そうでもしないと、売り場回せないんだよ」という声も聞こえてきそうですが、黄金寺院は10万人分の食事を300人で回してますからね。(ソースというか、面白い記事があったのでよかったら)

 

01/05『相撲人』

日本の女子相撲界を牽引する、若手女性力士・今日和(こんひより)が世界大会に挑む姿を捉えた短編ドキュメンタリーです。

大相撲が女子禁制なのはなんとなく知っていましたが、相撲の世界大会があることは、恥ずかしながらこのドキュメンタリーで初めて知りました。

 

よくよく考えたら、地上波で観れるスポーツってすごい少ないですよね。単純に私がスポーツ観戦に全然興味がないだけかもしれませんが、ぱっと思いつくのは野球かサッカーかラグビーか…ラグビーだって今年はなんかワールドカップ?があったからテレビで放送してたわけですか?(ホント詳しくなくてすいません)。

少なくとも、相撲は大相撲以外をテレビで見たことはないです。それだけまだまだ女子相撲の存在が知られていないということだと思いました。

 

本編では、今日和が世界大会に挑むシーンがあるのですが、いかんせん会場の規模が本当に全国大会なのかと疑ってしまうくらい小規模です。

それだけ日本では、大相撲とは別の、スポーツとしての相撲の周知が低いのではないかと思ってしまいます。

今日和選手の「ジェンダーに対しても負けない」という意思が刺さります。

 

WWWWW/(^o^)\WWWWW/(^o^)\WWWWWW

 

こんな感じで、なぜか年末年始はスティーブン・キングかドキュメンタリーかの2択でした。あとは大体ゲームしてました…。そういえば全然「デスストランディング」やれてないなあ。どうしてもサクッと出来てしまうポケモンスマブラに走りがち。

 

今年はたくさん映画を見るぞ~!