『theface vol.02 根矢涼香特集上映』に行ってきました【レポート】
去る6月22日(土)、名古屋シネマスコーレで『theface vol.02 根矢涼香特集上映』を見てきました!
インディー系の特集上映は初でしたが、トークショーも含めとっても楽しかったです。
特集上映『theface』とは?
公式サイトによると、
いつか映画の“顔”になるように・・・
そんな思いから銘打たれた特集上映「the face」シリーズ。
満を持してのvol.2は女優「根矢涼香」を特集する。
なぜ彼女は多くの若手監督から愛されるのか。
スクリーンでの足跡を出演作とともに振り返り、1週間の日替わりプログラムでその魅力に迫る。
つまり、毎回1人の役者さんにフォーカスを当てて、その人のいろんな表情を楽しめる作品を上映する企画といった感じです。
いわゆるインディー作品が取り上げられてるのですが、今回は1週間というだけあって、作品数も15作とボリューミーです。
theface vol.02は根矢涼香さん特集
は今回のface vol.02では、根矢涼香(ねや・りょうか)さんの出演作を特集。
根矢涼香さんは、1994年9月5日生まれの茨城県出身。
代表作に『ウルフなシッシ―』(第18回TAMA NEW WAVEグランプリ・主演女優賞)『少女邂逅』があります。
特に『ウルフなシッシ―』は、松本穂香さん主演の『アストラル・アブノーマル鈴木さん』を手掛けた、大野大輔監督作品です。
『鈴木さん』にも根矢涼香さんは出演しているので、気なる人は要チェック。
YouTubeで全話見れます。
『theface vol.02』6月22日の上映作品は3つ
この日の上映作品はこちら。(上映順)
『あなたの名前を教えてください。』
2017年/12分
監督:川合空
出演:川合空/根矢涼香
『次は何に生まれましょうか』
2019年/25分
監督:野本梢
出演:根矢涼香/天白奏音/笠松七海
『三つの朝』
2017年/30分
監督:根岸里紗
出演:兎丸愛美/根矢涼香/唯野未歩子
この3本でした。
どの作品も短編になるのですが、とにかく『もっと長い作品が見たい!』と思わせてくれる作品ばかり!
完成度が高いものや、尺があればもっとやりたい表現があると感じさせるような熱力ある作品ばかりでした。
トップバッターは愛知県出身の川合空監督
名古屋での『theface vol.02』トップバッターを飾ったのは川合空監督。
現在は東京を拠点に活動をしていますが、愛知県出身ということで、今回一番はじめに作品が上映されました。
監督以外に、役者、イラスト、鋳物、舞台美術、ポスター、ライブペイント、被写体など多岐にわたる活動を行なっています。
特に役者としては、井口昇監督『キネマ純情』(2016)にて、中野チャコ役を演じ、
園子温監督『うふふん下北沢』(2017)では、大竹役で出演しました。
現在は東京藝術大学美術学部工芸科鋳金専攻 大学院 在学中で、卒業制作の真っ只中だそうです。
人生で一番デカい作品を作り始めました!やる気は十分!!心棒作りと粘土練るだけで全身筋肉痛で泣く😂 pic.twitter.com/W90Kj4s0Ly
— 川合空 Sora Kawai (@soratarooooo) 2019年5月24日
上映後はトークショーが開催
今回全ての上映が終わったあと、トークショーが行われましたが、根矢涼香さんの他に、『あなたの名前を教えてください。』の川合空監督、さらに前回の『theface』にて特集された、俳優・品田誠さんの3人で行われました。
インディー作品のトークショーって、勝手に敷居が高い印象を持っていましたが、そんなことは全くなく、楽しい内容となりました。
『あなたの名前を教えてください。』の制作秘話も
今回のトークショーは、監督が登壇していることもあって、『あなたの名前を教えてください。』について色々聞くことができました。
『あなたの名前を教えてください。』は、若い2人の女性が一緒に住んでいるところからスタート。
一人は絵を描いており、もう一人はそんな彼女を見守っています。
しかし、話が進むに連れて、2人の関係にある違和感が表れてきて…
本作は12分の短編ですが、元はもう少し長い作品で、内容も歪んだ愛情を描いたドロドロ系だったそう。
しかし、その演出では本来伝えたい意図から逸れると思い、あえてカットしたと語っていました。
個人的にはその、ドロドロしたような内容も見てみたいですが、本作はそのカットによって、ラストのヒロインの行動が割とドロドロなのに、終わり方が爽やかという良い意味でのミスマッチが素敵でした。
「聖地巡礼」は不可能な作品
『あなたの名前を教えてください。』の撮影は、川合空監督の自宅と、根矢涼香さんのご自宅で撮影されました。
「おっしゃ!早速撮影場所探したろっ!」と思ったそこのあなた。
残念?ながら川合監督は撮影後引っ越し、根矢さんの自宅に至っては解体されたため、もはや跡形もないそうです。
近いのに果てし無く遠い、聖地巡礼不可能な作品が誕生してしまいました…
今後、監督か役者、どちらの道をメインにするのか?
『あなたの名前を教えてください。』で主演も務める川合監督と、 『鼓動』『不感症になっていくこれからの僕らについて』で監督を務めている一方で、役者としても活動している品田さんも登壇しているため、「今後は監督、役者、どちらに力を入れていきたいか」という質問がありました。
川合監督は、役者を軸に活動していきたいと考えており、監督を務めたのは作り手側の勉強をしたいという気持ちが強かったそう。
品田さんも比重としては役者に重きを置いており、監督はあくまで自分が作りたいと思ったものしか作らない(頼まれて監督することはない)とのことでした。
根矢さんはまだ監督経験はないものの、もし監督をするのであれば品田さんのように、頼まれて撮るのではなく、自分の人生を表現したような作品を手がけたいと語っていました。
全員に共通して言えることは、メインは役者として活動していき、監督業はいわゆる商業作品ではなく、自分が撮りたいと思える作品を撮るという感じでした。
終了後はサイン会も
トークショー終了後は、『theface』の物販購入者限定で、サイン会が実施されました。
今回インディー作の特集上映なるものに足を運びましたが、結構年配の方が多く、もっと若い人も見に来たらいいのに!とも思いました。
今回はトークショーの登壇者をはじめ、監督も若手の方が多いので、映画にかかわらず何かしら作っている若い人にとっては、とてもいい刺激になるのではないでしょうか。
それこそ絵を描いている人だったり、バンドマンだったり…
かく言う私もギリ20代なので、なんか、明日から頑張ろうってなりました!(謎)
今後の皆さんの活動は?
根矢さんは、脚本:平田オリザさんによる舞台『転校生』への出演が決まっています。
演出は、なんとあの本広克行監督!!
公演日程:2019年8月17日 (土) 〜2019年8月27日 (火)
会場:紀伊國屋ホール
品田さんは自身の監督作『鼓動』が6月28日からテアトル新宿で開催される「田辺・弁慶映画祭セレクション2019」にて上映予定。
さらに劇場公開に向け、クラウドファンディングで、必要な宣伝費の支援を募っています。(2019年6月28日まで)
そして川合空さんは、『彼女のひまわり』で監督を務める川崎僚監督の初長編映画「wasted eggs」にて、寺坂光恵さんとW主演を務めており、こちらも日本配給に向けて現在準備中。
昨年はタリン・ブラックナイツ映画祭にて上映され話題を呼び、イタリア アジア映画祭【EstAsia cinema d'oriente-Reggio Emilia】では、監督作品としてノミネート。
あの、『万引き家族』や『バーニング』など、名だたる作品と共にイタリアで上映されました。
個人的にこのポスターの感じがバシバシにツボで、良作の予感が凄い…
日本公開が決まったら絶対見よ…
皆さんの今後の活躍にも注目です!
おまけ
ちゃっかりサイン貰った
あっ、ちょっ…
君は本当に失礼なやつだな