Netflixオリジナルドキュメンタリー『ジョンベネ事件の謎』感想。皆、ジョンベネみたいになる可能性はあるんだぞと脅される映画。
ヤマダです。
先日なんとなくネトフリオリジナル作品を漁っていたら見つかったドキュメンタリー。
これまで何度もワイドショーとか、「世界仰天ニュー〇」で取り上げられてきた有名な未解決事件の一つ「ジョンベネ殺人事件」
今から20年以上も前に、アメリカコロラド州にて起きた事件で、当時6歳の女の子ジョンベネが誘拐され、脅迫状まで見つかるも、ジョンベネは自宅の地下室にて遺体で発見されるという最悪の結末に。
さらに警察が初歩的な捜査ミスを犯したり、家族犯行説が出たとこで、ジョンベネの家族から捜査の協力を得ることができなかったりと、いろいろ重なってはいけないことが重なったおかげで、現在も犯人は見つかっていません。(最初はヒステリー持ちの母親が犯人説など、身内の犯行が有力視され、今最も有力なのは、当時9歳だった兄・バークが犯人と言う説)
そんな未解決事件の再現ドラマを撮影すべく、地元の俳優を大勢集めると、オーディション兼、事件に対する推理を語ってもらうというのが本作の大まかな流れ。
ぶっちゃけ再現ドラマはおまけ程度に見てもいいくらいかもしれません。
1996年の美少女殺害事件。ドラマ化に伴いオーディションに参加した地元出身の俳優たちの推測を織り交ぜつつ、この未解決事件に迫るドキュメンタリードラマ(Netflix公式サイトより)
というのも、原題が「Casting JonBenet」と、なっている通り、事件の真相を追う系の作品でなければ、『ソークト・イン・ブリーチ』みたいな、突飛な新説が出るような作品でもありません。
本作で主にインタビューを受ける配役は、ジョンベネの両親を始め、事件を担当した刑事や、外部犯行説の犯人としてよくあげられる、ジョンベネ死亡前日に家に来ていたサンタクロースの格好をした男など。
一役に何人ものキャスティングがされ、それぞれが事件の感想と、犯人の推理を述べて行きます。
しかし所詮はズブの素人の推理。
当時9歳の兄が、ジョンベネの頭蓋骨に、懐中電灯でヒビを入れられるものか!と推理をした次のシーンでは、兄のバーク役にキャスティングされた男の子たちが、懐中電灯でスイカを粉々にするという。その程度の推理なのです。
ーーーーーネタバレーーーーーー
この推理の最も重要なのは、特にラストになると、キャスティングされた役者が徐に自分の不幸話を始めるところ。
やれ親が酒飲みだったとか、やれ母親がパニック障害みたいな病気だったとか、やれ恋人が病死したとか、やれ息子が法に触れる犯罪を犯したとか…
そして決まって最後は、「私はこーゆー経験をしたから、犯人もこうだと思う」といった、自分の経験則で推理を完結させるという点。
これって、暗に「自分も今回のような事件の当事者、あるいは事件に巻き込まれる可能性がある」と、説明しているようにも思えます。
経験則で語る以上、私も今回のような事件の犯人になる可能性があることは、否定できないはずです。
なのに!
役者は皆口を揃えて「私だったら、いくら子供にイラついても殺したりはしない!」といったことを、平気で怒り心頭の様子で話すのです。
冷静に見ると、めちゃくちゃ矛盾してる…この矛盾も作品の魅力だと思います。
要は、みんな誰しもジョンベネ事件のような不幸を起こすか、巻き込まれる可能性はあるんだぞ…自分はそんなことないなんて言える筋合いはないんだぞ…と言われているような作品だと思いました。
それこそ、ジョンベネ事件のワイドショーとかを興味津々で見たり、勝手に推測したり、こうして偉そうにブログ書いてたりしているやつも…
あ、そういや刑事役の1人に、夜はセックス講師という謎の仕事についてる男がいて、事件の感想そっちのけで、ずっとSMプレイにおける上手な鞭の打ち方をレクチャーするという、トリッキーなやつでした。
しかし、ジョンベネの検死結果に、性的暴行を受けた形跡の件になると、誰よりも説得力のある存在になってました。
何だったんだアイツ…
auの「フラットプラン25 Netflixパック」が地味に気になっている件
日曜の朝、猫のクソ臭(2匹分)で目が覚めたヤマダです…
あの人たち絶対わかってクソしてるよ…リビングにも同じ猫トイレ設置してるのに、なんでわざわざ私が寝ている寝室のトイレでクソしてるの…「こいつのいるところで用を足せば、すぐ掃除してくるから」とか思って力んでそう…くっさ…
話は変わりまして、台風が来る前に先日プロバイダ契約した私は、手持ちのポケットwifi の解約をするついでに、奥さんの機種変について行きました。
奥さんがスタッフさんの説明を聞いている間、暇を持て余した私がキョロキョロしていると、「フラットプラン25 Netflixパック」というプラン名が飛び込んできました。
機種変説明聞いてる奥さんの横で、「simフリー メリット デメリット」をググっていた私の手は止まりました。
最近、奥さんの「プリティ・リトル・ライアーズ」視聴により、ネトフリを使いたいタイミングがバッティングするようになってしまった私は、一台しか再生できないベーシックプランから、2台まで同時再生可能なスタンダードプランに変えたばかりでした。
そんなこともあり、「安く済むなら…」と、色々調べて見ました。
なんでもネトフリのベーシックプランと、ビデオパスが付いてきてかつ、データが25GBまで利用できて、今なら11月30日までの申し込みで、約4000円。(スタンダードプランは+400円)
現在、端末の支払いを入れて7300円払っていて、かつネトフリの月額1200円を入れると、かなり安く感じます。
ただやっぱり、こーゆープランは加入条件があるみたいで…
対象機種を新規契約(他社からのお乗りかえ含む)・機種変更でご購入と同時に「auフラットプラン」にご加入(iPhone ギガトクキャンペーン | au)
という、なかなかにハードな設定。
しかし私は来月で2年の契約を満たすので、これを機に機種変して、プランも変えれば…!
とおもったら…
スマートバリューをはじめとするいろいろな割引が適用されてはじめて3980円になるという、情弱(死語?)な私には、とてもじゃないけどこの通りの金額になるとは思えなくなってきました。
そんな時に、料金シュミレーションがあったので iPhoneXに機種変するシュミレートをしてたら…
今持ってる iPhone7を下取りに出すと、23,760円で買い取ってくれるらしく、XSの256GBで3000円程の端末月額支払いが、事実上8ヶ月無料になる様子。
結果、今月の支払いが7,355円に対して、7,748円という結果に。
しかも下取り代を引いたら、実質もっと安くなるのかなあ…?
おまけにこのシュミレートの中には、ネトフリの800円分と、ビデオパスの500円分が入っているので、今のネトフリ代を今月分の支払いに合わせれば、機種変してプラン変えた方がお安いのよねえ…
400円程度の差額ですが、ちりつもで考えれば24ヶ月で10,000円くらいはお得ということか…う〜ん…
でもこのNetflixパックてのは、1年が過ぎると6000円に値上がりしてしまうので…うーん…
うーん…(zzz
『ウィ・アンド・アイ』感想。真面目な日本人には受けにくい、ハイスクールバスのカオス…
ミシェル・ゴンドリーがリアルガチの高校生を集めて、夏休み最終日、帰りのバスでの会話劇で100分以上続く本作。
一応ジャンル的にはしょっぱい青春映画です。
米ニューヨーク、ブロンクスを舞台に、陰キャからDQNまで幅広い人種がバスに乗り込み、アイツがパーティー開くとか、誰それが浮気したとか、とにかくいろんな話がいっぱい聞こえます。
なんでも監督の実体験から生まれた作品らしいのですが、いろんな登場人物がいろんな話をするので、いったいどれが監督の実体験なのか、そもそも「人から聞いた」という実体験なのか。
まあどちらでもいいのですが、とにかくいろんな話が右往左往するので、どこまで真剣に聞いていいのかわかりません…
主人公というか、メインの人物は不良グループの一人だけど、そんな奴らつつるみながらも、「自分はこいつらとは違う」と思っている一番質の悪いマイケルと、その恋人テレサ。
そもそも登場人物多すぎて、最初誰が主人公なのかわかりませんが、みんな徐々にバスを降りて来てから、やっと誰が主人公が分かってくる仕組み(?)
もう…なんというか、本当にいろいろとっ散らかって、ラスト20分までのことを、私はよく覚えていません…
ただ、みんなバスのマナークソ悪いなあ…と、治安のよいこの国・日本に住んでいる私は、そんなことをぼんやり思いつつ見ているだけでした。
もう80分くらい、バスの中でプリン食うわ、ギター弾くわ、タバコ吸うわ、ガムを乗客の背中に大量につけるわ、ウォーターブラが宙を舞ってるわとアナーキーの極み。
しかし乗客がどんどん減って、日が沈んだあたりから突然この作品の魅力が出てきます。
本当は不良とつるまずに、まともにいたい偽善者マイケルに、突然今まで全然しゃべってなかったアフロが、(言葉で)鉄槌を下して去っていきます。(その前の会話は、『グッバイ・サマー』を彷彿とさせるような内容でした)
めちゃくちゃ後味の悪いシーンですが、当のアフロはもうこれを言いたくて待ちくたびれてたのかなあ…と考えると、とても可愛く見えてきました。よかったね!
さらにもう一つ、衝撃の事実が明かされ、これも本当に実体験なのか?と驚くような展開も。
雑音が去って、強がりの青春からしょっぱい青春が見えてくるのはとてもよかったです。そこに至るまでの道のりは非常に険しいですが…
そういえば途中、ある男の子が女子集団に、いかに自分がスターなのかを延々と語るシーンがあるのですが、これがまあよく思いついたなと一蹴回ってほめてあげたくなるようなストーリー。
俺のいる場所がパーティー会場で、半裸の女性が常に言い寄ってきて、ドナルド・トランプと仲良くなって会社を立ち上げるそうです…それにしてもトランプ全然似てなかったなあ…もっとなんかいただろ!がんばれよ!
(それにして、びっくりするほどピンとこないキャッチコピーだなあ…)
もちろん空想の話なので、男の子が軌道修正するたびに再現Vもいちいち修正されます…芸が細かいのか雑なのか…これがミシェル・ゴンドリーの手法なのか…
あとあれですね、ロン毛を束ねてる髪型のやつ2人もいるわぁ…て思ってみていたら、途中で3人だったことに気づきました…どうなってんだ一体…
もはや個性が集まり過ぎて凡個性になってました。
そしてこのブログもいつも以上にまとまりのない感じになった…
【2行目からネタバレ】『アフター・ウエディング』感想。シガーロスの曲が印象的…マッツ、インドからデンマークへ行く。
『真夜中のゆりかご』『未来を生きる君たちへ』のデンマーク監督、スサンネ・ビアの過去作『アフター・ウエディング』
ずばり、『ボクの妻と、結婚してください。』でした!
もちろん、本作はもっと穏やかでない空気が漂っていますし、色々事情も違いますが…
インドで路上生活を送る孤児の援助活動を行うヤコブ(マッツ)は、祖国の実業家ヨルゲン(ロルフ・ラッセゴード)から巨額の寄付金の申し出を受ける。デンマークに戻ったヤコブは、ヨルゲンの娘・アナ(スティーネ・フィッシャー・クリステンセン)の結婚式に誘われ、思いがけない人と再会。あまりにも出来過ぎた再開に、ヤコブは何かヨルゲンが企んでいるのではないかと勘繰るが…
およそ「僕妻」と共通点の無いあらすじになりますが、この「思いがけない人」というのはヨルゲンの妻・ヘレネ(シセ・バベット・クヌッセン)で、実はヤコブと過去に恋仲にあった人。
ヨルゲンの妻が実は恋人だと知ったヤコブは動揺しますが、さらに驚くことに、結婚するアナはなんとヨルゲンとの子ではなく、ヤコブとの子でした。
あまりに偶然の再開にしてはうまくいきすぎていると思ったヤコブは露骨に反発しますが、最初は余裕を見せていたヨルゲンもどこか様子がおかしい…
ヘレンに事情を聴くも、彼女もただの偶然ではないのかと考えていました。しかしさすがに彼女も不審に思い、色々調べると、なんと彼は余命幾ばくもない病に侵されていたのでした。
要するに、愛する妻を一人残したくないために、ヨルゲンは妻の過去の恋人であり、アナの実の父であるヤコブを、孤児院の援助というエサでデンマークに呼び戻したのです。さすが金持ちは切り込むところが違います。
事情を知ったヤコブも、最初は反発していましたが、ヨルゲンが本心から頼んでいるということ、ヘレンもアナも、ヤコブが戻ってくることにまんざらでもないことから、気持ちが揺らいでいきます。
しかしヨルゲンの「契約」はインドではなく、デンマークに永住するというもの。
インドには赤ん坊のころから面倒を見ている男の子もいるため、ヤコブとてそう簡単にインドから戻ってこれるわけもありません。
そんな時に、なんとアナの夫が光の速さで浮気します。
しかもアナがその現場に遭遇するという…
浮気の理由は、アナが実の父ヤコブに興味津々すぎて、相手にされなかったからという、なんともまあ…お子ちゃまのようなものでした。
そんなこんなでヨルゲンは亡くなってしまい、アナが傷心していることも手伝い、ヤコブはデンマークに戻ることを決意。
インドでは、例の男の子を養子にしてデンマークに連れて行こうとしますが、男の子はヤコブが支援をしてくれたこと、かねてからデンマークの金持ちを毛嫌いしていることも手伝って、インドに残るといいます。
しょんぼりするヤコブを前に、男の子は「また会いに来たらいいじゃない」と言って、いそいそと遊びに出て行って、この映画は終わります。
「僕妻」は未見だし、そもそも比べるべきではないと思いますが、やっぱこっちの方が「良い話」というよりかは、「これからどうなるのか?」と良い意味で期待を抱きたくなる、余韻の残るお話でした。
その昔、後頭部に「respect」とタトゥーを掘っているお間抜けなチンピラを演じていたマッツさんの面影は、もはや皆無です。よいパパになりそうな予感をむんむんに見せています。(でも良く考えたら『プッシャー2』でパパになってた気が…それにしてもこの画像やべえな…)
何より気になったのは、OPとEDでSigur Rósの曲が使われていたのが印象的でした。
こういうときって、歌詞とかタイトルが、作品に添ったオマージュだったりすることが多いのですが、いかんせん曲が「()」の「無題1」という、全く推測の余地を与えない選曲になっていました。
歌詞に至っても、確かシガーロスって、造語で歌詞書いたりしてませんでしたっけ…?(この曲は歌詞がありました)
あとは…日本版のポスターが、主演のマッツさんをほとんど載せないという攻めっぷりに痺れました。
↓
ここだけっていう…
下の写真の人物はヤコブにもヨルゲンにも見えるし…(たぶんヨルゲンだし…)
ちなみに『アフター・ウェディング』はハリウッドリメイクするらしいです。
今年の5月にこんなニュースがあがっていました。
どうも男女を入れ替えてのストーリーになりそうです。
別にそれは全然いいし、むしろリメイクとしては王道だと思っているのですが、いかんせん監督の過去作が『NOセックス、NOライフ!』とか不安しかない。
【ネタバレもあるよ】『チキンとプラム〜あるバイオリン弾き、最後の夢〜』感想。愛と芸術ほど曖昧なものはないんだなあ(白目)
先日私の中ではカルト級のラストを決めてきた『ハッピーボイス・キラー』のマルジャン・サトラピ監督の過去作、『チキンとプラム〜あるバイオリン弾き、最後の夢〜』
どうせプロローグでマチュー・アマルリック演じる主人公が、8日後に死ぬことはわかってるんだから『最期の夢』でもいい気がしますが…
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面白さ:3/5点
ゴルシフテ・ファラハニの可愛さ:5/5点
マチュー・アマルリックのクズさ:4/5点
おっぱい:10/5点
総評:3/5点
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一応あらすじとしては、バイオリニストであるものの、大した収入も得ることのできないナセル・アリ(マチュー)が、奥さんにキレられたうえに思い出のバイオリンを壊され、そのショックから立ち直れずに自殺を決意。
死に至るまでの8日間の間に、いろんなことを思い出したりしますが、主に生涯で最も燃えた恋を思い出す…
という感じのストーリー。
こうやって書くとなんだかすごくロマンチックな話に見えますが、文章よりもはるかに、ナセル・アリはダメダメ男。
一応作品紹介では天才バイオリニストとかいてますが、幼少期から不良なだけでなく、弟が優秀ゆえにいつも比較され、歪んだ性格に。
生計を立てれるほどの実力がないにもかかわらず(ないからこそ?)いやというほど面倒くさいタイプの芸術家気質に…
奥さんに子供の面倒も一家の収入も押し付けるような体裁こそ守ってますが、根っこはマダオです。
そんな彼にも、過去にめっちゃ好きになっちゃう女性が現れます。
それは『パターソン』で、見た目通り不味いカップケーキを作って、アダム・ドライバーに険しい表情をさせたゴルシフテ・ファラハニ。
監督がイラン出身で、フランス在住ということもあって、世界観はイランっぽいのに、彼女以外の登場人物はフランス人という不思議な世界観にもなっています。
話がそれましたが、彼女となんとかお近づきになって、相思相愛になったのですが、安定のパパ全否定という形で、二人の恋は終焉を迎えます(お金がらみで相手のこと否定するのは本当にダメ…)。
現在の妻とも、母親が無理やり結婚させたようなものだったので、ナセル・アリは一切の愛情を抱いておらず、当然夫婦仲も冷め切っています。
しかし妻の方は、まだ若いころからナセル・アリを気にかけていたという事実が分かるという、なかなかに胸が苦しい展開も…
ナセル・アリの自殺を食い止めるべく、彼の好物である鶏のプラム煮をごちそうしても、口にすらしません。そりゃ自殺する気満々だし…(しかし結果として、銃殺毒殺絞殺いろいろ考えたけれど、芸術家的考察ゆえ、どれも断念。多分最終的に衰弱死します)
そして最後の最後で、ナセル・アリが本当に自殺を決意した理由が明かされます。
それは、新しいバイオリンを探す道中で、あのパパに否定されて疎遠になった恋人と再開します。
しかし今度は恋人の方が、ナセル・アリを全く覚えていないと全否定。
ナセル・アリはひどくショックを受けますが、実は恋人はナセル・アリを覚えており、自分にはすでに夫も恋人もいるので嘘をついていたのでした。
当然、彼女も嘘をつかざるを得なかった自分にショックを受け、人知れず涙します。
私はこの映画を見てる途中は、作中で魂の話とか、芸術の話が出てくるので、恋とか愛も、これらと同じで非常に曖昧なものなのかあ〜と、足りない脳みそで考えていました。
しかし、あのラストシーンだけで、愛だけは確かなものなんだな…と、くっさー!って思いつつも、そんなことを考えさせられました。
しかしこんなメルヘンで、どこかダークな雰囲気が、漂う作品から生首と猫と犬がペチャクチャ喋る映画が次作になるとは…
【ねりさん運動神経向上のお知らせ】
【悲報】ねりさんの運動能力が向上。登って欲しくないところに猫が増える。 pic.twitter.com/Zkwf8hVIQh
— ヤマダ マイ (@serial_mai) 2018年9月25日
先日twitterでもあげましたが、普段はきりさんしか登れない棚の上に、気づいたらねりさんが乗っていました。
我が家でのそれぞれの立ち位置と言ったら、きりさんはアスリートで、ねりさんはアイドルみたいなものです。
きりさんはアスリート極めすぎて、自主的に食事制限(関心が激薄なだけ)しているだけあって、登れないところなんてないのです。
なんなら、あの冷蔵庫の横にある棚を、きりさんは梯子のように上っていくこともできます…その姿を見た私は、「上ってほしくないところなんて、無くした方が早えんだなぁ」と悟りました…人間が猫に屈服した決定的瞬間…私の奴隷生活の幕開け…(歓喜)
しかし、一方のねりさんはそんなに運動神経がよくなく、おもちゃとかを与えると、感極まり過ぎて自分の頭をけりぐるみしちゃったり、ジャンプ力があんまりないのと、着地が下手すぎて、ドスンっ!!!って音を立てるほど。
先日なんか、私がベッドでゴロゴロしていると、突然マットレスがずんっと振動したのですが、それはねりさんがベッドで毛づくろいしようとして尻をついた衝撃でした。
かと言って別段デブ猫というわけでもなく、ルーズスキン(お腹周りを守る意味で、その箇所だけタポタポの肉がついてること)でありつつも、体重は5キロをキープしてます。
では、一体どうして急にあの棚に登れるようになったのか?
今週に入ってから、餌をちゅ~るがけの状態でないと食べなくなった(私が餌を完食させるためにあげ続けた結果です…反省…)グルメ猫様を、可能な限り庶民派にさせるために、今後餌は出して置きっぱなしにし、時間が経っても残してたら捨てるよう、心を鬼にしました。
しかし、いきなり普段の量をあげても、残すことは目に見えているので、先ずは半分の量でスタート。
やっぱり1,2日目は残しますが、次第に「もうあの頃のちゅーるは味わえないんだ…」と悟ったお猫様たちは、相変わらずダラダラ食いですが、時間内に食べてくれるようになりました。(ちゃんとおやつとしてあげますから…)
量も少しずつ戻していますが、ひょっとして餌が少なくて減量したから、登れるようになったとか…?
その真相は謎のままですが、登れたことにテンション上がったのか、冷蔵庫の上の壁で爪研ぎするのだけは勘弁してもらっていいっすか…
あの重さのねりさんを、持ち上げては下ろす謎の上下運動で私が痩せそう…
撮りおろしを収めようとしたらこれですわ…(笑顔)
【感想】『エリックを探して』 ケン・ローチが自己啓発本を出したら…
自己啓発本って、別に読んで害が及ぶわけでもないのに、(私をはじめ)なんであんなに毛嫌いされてるんだろうと考えたら「あんな本読んで、人生がうまくいくなんてありえんだろ」という感情が先行するからだと思いました。
まさしく、『エリックを探して』の主人公エリックも、奥さんを置いて逃げてしまったことから、「何をやったって、俺は駄目なんだよ」と、口を開ければ否定的な意見をする、典型的な自己啓発アンチっぽい男です。
でも…もしもその自己啓発本を出した著者が、自分がめちゃくちゃ好きな人だったらどうでしょう?有名人でも、アーティストでも、スポーツ選手でも構いません。
なんならスポーツ選手の自己啓発本は珍しくないように感じます。
『エリックを探して』は、まさしく人生どん底の主人公が、突然マンチェスター・ユナイテッドの有名な選手、エリック・カントナの幻影を見るようになり、カントナからあんなことやこんなことを、人生のアドバイスとして享受されます。
まさに生ける自己啓発本。あ、でも幻か…
このカントナさん、実力もサッカーへの情熱もすごいのですが、ルールや規範にとらわれるのを極度に嫌い、そんな性格も災いして、出場停止を食らったりしています。
作中でははっきりとは分かりませんし、wikiにも明言されていないのですが、どうやらレフリーに暴言を吐いて、出場停止を食らったカントナに、サポーターがヤジを飛ばしたところ、虫の居所が最悪だったカントナはおもっくそケリをくらわせました。そこから選手生命が転落したとのこと(作中の主人公エリックは、サポーターに非があるとカンストを庇います)。
(調べてたら出てきた画像。サッカー選手の飛び蹴りとか、めたくそ痛いんだろうなあ…知らんけど)
そんな酸いも甘いも知るカントナさんから直々?にアドバイスを受けるエリックは、一歩一歩、くそったれな人生と向き直っていきます。
奥さんと関係を修復するためにあれこれ頑張りますが、それと並行して自分の再婚相手とのドラ息子2人は不良とつるんでばかり…(再婚相手ともすでに別れている様子。なんだこのデジャヴ…あれだ、「フレンズ」のロス・ゲラーだ!)
(「いいかい?僕はね…」)
仕舞には息子がつるんでいたのは不良ではなくギャングだったと知ると、エリックは激怒。
銃の隠し場所に使われてしまったりとてんてこ舞い。
息子の代わりにギャングにもう足を洗わせてほしいと頼みに行っても、狂犬に襲われているところを撮影されyoutubeにアップされるという離れ技を食らいます。
しかも、元奥さんとの関係がかなり良くなり、自宅に招いて食事をとっていたら、そこにガッチガチの機動隊が、銃を探しに突入してくるという最悪のタイミング。
もはや修復不可能と思ったとき、再び名プレイヤーカンスト様から、ありがたきお言葉が…
最終的にエリックは、ある方法でギャングにリベンジするのですが、この方法が結構予想外でした。
どうしても『私はダニエル・ブレイク』や『この自由な世界で』のような人生ハードモード展開が起こると身構えていただけに、この展開はなかなかの爽快感でした。
さながらスポーツ観戦してるみたいな…サッカー選手が出てるだけに。
でも、常に労働者の味方である、ケン・ローチならではの演出でした。
前回書いた『『モンガに散る』が極道×青春というありそうでなかった雰囲気でした。 - 日刊ねりきり』もそうですが、ギャングが絡むからと言って重い雰囲気の映画ばかりではないのですね…!
自己啓発本が嫌いでも、ケン・ローチの自己啓発映画は嫌いにならないでください!
ちなみにエリック・カンストはサッカー選手引退後は、本作をはじめ俳優活動を行っているそう。
最近ではマッツ・ミケルセン主演の『悪党に粛清を』に出演しているそうなので、エリック探してみてください…